一行問題集ができなかったら?
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もちろん、簡単な問題を用意しても、なかなか解けない子供もいるだろう。
実際5・6年生でも、4年生版の『計算と熟語』(日能研ブックス)で、40回全部満点が取れる子供は、そんなにいないはずだ。
絶対どこかに穴がある。
何しろ子供というのは、興味がなければ、3日前にやった問題でも、すぐに忘れてしまうものだから。
だからもう、本当に根気よく、基礎から何度もやりなおすしかない。
しかしこれができるようになると、中位レベルの中学なら合格に片手が届いたようなものだ。
そしてこれができたら、上位レベルの中学に挑戦できるだけの基礎学力が、整うことになるだろう。
基本ができている子供と、そうでない子供はすぐわかる。
ミキちゃん、受験勉強というのは、前にも書いたが、バウムクーヘンを作っていく作業に似ているんだね。
内側から一層ずつ、じっくり作っていかないと、まともなモノにならない。
そしてまた基本の輪っかが、しっかりできているかどうかも重要だ。
「基本の輪っか? それってなに?」全ての勉強に欠かせない輪っかを、センセーは特に『基本の輪っか』と呼んでいる。
他の言葉で表現すれば『基礎』とか『姿勢』という言葉になるんだろうが、1つの輪のようになっているので、『輪っか』って呼んでいる。
これがキチンとできていると、確実に点数を積み上げていけるが、そうでないと、成績は上がったり下がったりする。
そしてこれがちゃんとできているかどうかは、テストをすれば、すぐにわかってしまう。
なぜかというと、この輪っかがちゃんとできてない子供は、ちょっとしたテストをしても、取らなきゃならない問題が取れないからね。
全然練習してない人間を試合に出すようなもんで、すぐにわかってしまうんだ。
基本の輪っか、ってなに?
たとえば、学校の体育の時間で、バスケットボールをやるだろう?パスやドリブル、シュートなどの練習をして、そのあとゲームをやったりするだろう?そういうとき、経験者と全くの素人とでは、動きが全く違うよね?バスケット経験者は、パッとパスを出して、パッと走ってパスを受け取って、それからすぐにドリブルに入ってシュート…という感じで、一連のプレイがつながっている。
スタートからフィニッシュまで、つながって動いている感じがするよね?こういうのが、基本の輪っかが、しっかりできているっていう状態だ。
ところがセンセーみたいなバスケット素人は、何をやるのも考えながらだ。
パスを受け取っても、次に何をやっていいかわからないから、すぐ立ち往生する。
ドリブルはボールを見ながらでないとできないし、何かあるとボールをポロリと落としてしまう。
素人は、スタートからフィニッシュまでが、一続きになっていないんだね。
こういうのが、基本の輪っかが、しっかりできていないっていう状態だってことだ。
基本の輪っかがちゃんとできている人間と、そうでない人間というのは、こういうふうにゲームをやってみると、すぐわかっちゃうんだよね。
勉強だって、同じなんだ。
基本の輪っかがちゃんとできている子供は、一目瞭然だ。
というのもこういう子供は、テストを受けさせても何をすべきかわかっているから。
すぐに解くべき問題を見つけて、確実に正答を出していく。
一方、この輪っかがちゃんとできていない子供は、何をすべきだかわかっていないから、解けそうな問題を見つけたら、とにかく解き始めて、終わったらボーっとしてるだけ。
要するに、やるべきことがわかっていないから、できそうなところだけやって、しかも合っているかどうかは確かめない。
こういう子供にいくらたくさん問題を解かせても、成績は伸びないね。
食塩水の問題が苦手、流水算がわからない…そんなレベルの話じゃない。
確実に点数を取らなければならない問題で、確実に点数を取らなければならない!…ということすら、わかってないんだから。
これじゃ、成績を伸ばすどころじゃなくて、逆に、成績が落ちる方を心配しないといけないね。
だからまず、基本の輪っかがキチンとできているかどうかが、肝心だ。
テストになったら、こうして・ああして・そうして…って、すぐに動けなきゃ!遅いのは、ダメなんだよ。
【受験勉強の極意】 基礎ができていないとは、スタートからフィニッシュまでが、ひとつながりになっていないと言うこと。
遅いのはダメ。